新着情報
- 2015年10月26日
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【技術資料】アミン臭低減方法について
アミン臭低減方法(ミックスベッド方式)
1、はじめに
原水をイオン交換樹脂で純水化処理するにあたって、処理水にアミン臭気が残る場合があります。この原因は、強塩基性陰イオン交換樹脂の成分であるアミノ基が分解して有機アミン類が発生する為です。有機アミンがごく少量発生しても人間は臭気として敏感に感じ取ります。今回、このアミン臭気を如何にして低減させることが出来るかを記載いたしました。
2、アミン臭気について
強塩基性陰イオン交換樹脂は分解劣化により、トリメチルアミン、ジメチルモノメタノールアミンなどを生成します。分解によって生成したアミン類は水中から気化し、微量でも臭気として感じ取ります。
3、対応策
アミン臭気を抑えるためには、以下の2点が考えられます。
(1)樹脂中のアミン類の低減(水洗の強化)
①新品の強塩基性陰イオン交換樹脂は、2倍量再生を数回行います。再生することによって、樹脂が膨潤し樹脂中のアミン類を洗い出すことができます。
②再生は、強塩基性陰イオン交換樹脂を先に行うことにより、強酸性陽イオン交換樹脂を再生する時の抑え水でも強塩基性陰イオン交換樹脂の洗浄がより進みます。
(2)樹脂中のアミン類の低減(アミン類の臭気低減)
①デュオライトC20LFの一部にデュオライトC255LFHを使用します。
(目安として、デュオライトC255LFHはデュオライトC20LFの25~50%とします。)
または、特殊品であるデュオジェットC2255Hを使用します。
②再生後の混合条件を調整することで最適な陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂の混合状態にします。
(詳細は、当社にお問い合わせください。)
4、推奨グレード組み合わせ
強酸性陽イオン交換樹脂 強塩基性陰イオン交換樹脂 一般品 アニオンⅠ型の場合
デュオライト C20LF+C255LFH
デュオライトA113MA 一般品 アニオンⅡ型の場合
デュオライト C20LF+C255LFH
デュオライトA116 特殊品 アニオンⅠ型の場合
デュオジェット C2255H デュオライトUP5000 デュオジェット C2255H デュオジェットA1130CL 特殊品 アニオンⅡ型の場合
デュオジェット C2255H デュオジェットA1160CL - 2015年09月28日
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アニオン樹脂の劣化機構について
- 2015年08月20日
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【イオン交換樹脂グループ・製品紹介】スミカイオンMB77
汎用再生済み混床用樹脂「デュオライトMB5113」が廃盤となった為、その代替品である「スミカイオンMB77」の販売を開始いたしました。
- 2015年07月27日
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【イオン交換樹脂グループ・技術資料】トリオベッド(アニオンⅡ型)
Ⅱ型のアニオン樹脂を使用したトリオベッドの技術資料をご紹介いたします。
- 2015年06月30日
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【イオン交換樹脂グループ・技術資料】トリオベッド
- 2015年05月29日
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【イオン交換樹脂グループ・技術資料】液中の過塩素酸の除去について
液中の過塩素酸の除去について
1.はじめに
過塩素酸化合物は急速に注目されている環境汚染物質です。過塩素酸化合物は自然にも存在しますが、助燃剤、火薬、花火、マッチなどの用途としてナトリウム塩が約1370t/年生産されています。ナトリウム塩以外の金属塩も生産されており、いずれの過塩素酸塩化合物も非常に安定した物質であり、煮沸程度では分解しない特徴に加え、容易に水に溶け過塩素酸イオンとなる性質を有しています。また、合成肥料中に不純物として含まれていることも判っています。水道水の原水としている河川水や地下水に含まれている地域があることや、合成肥料の散布により牧草、牛を介して牛乳にも含まれていることが確認されています。
近年、過塩素酸イオンを胎児(妊娠女性を経由)、乳幼児が一定量以上、定常的に摂取すると、甲状腺ホルモン分泌に必要なヨウ素の吸収が阻害され、発育障害を誘引することが指摘されるようになりました。 米国環境保護庁(EPA)は、2005年に過塩素酸塩の参照用量(RfD)を0.7μg/Kg-体重/日と制定しています。
厚生労働省は平成21年4月に水道水の水質基準改正(平成20年12月22日厚生労働省令第174号)を行い、過塩素酸を要検討項目に加え、平成22年2月2日 第8回厚生科学審議会生活環境水道部会にて、評価値25μg/Lを設定し引続き要検討項目として知見の収集を図ることとなりました。
今後、排水規制の対象物質になる可能性が高いにも拘らず、今まで低コストの処理方法が確立できていませんでしたが、今回、弊社キレート樹脂を使用した処理方法をご提案させて頂きます。
2.過塩素酸の吸着データ
1)吸着量と再生使用について
スミキレートMC300と一般的なイオン交換樹脂である強塩基性陰イオン交換樹脂Ⅰ型及びⅡ型を用いて、表1の①~③を1サイクルとして、5サイクル実施し、吸着量の変化を確認した結果を図1に示します。
強塩基性陰イオン交換樹脂(Ⅰ)、(Ⅱ)は、サイクルを重ねるごとに吸着量が大きく低下していることが判ります。樹脂に吸着した過塩素酸イオンが再生剤で溶離できないことを示しており、回数を重ねると吸着しなくなると推察されます。これに対して、スミキレートMC300は吸着量は少ないものの、3サイクル目で吸着量が若干低下していますが、それ以降は同じレベルを維持しており、繰返し吸着、再生が可能であることが判ります。2)スミキレートMC300の常時リークについて
向流再生でスミキレートMC300の常時リークを測定した結果、処理水中の過塩素酸濃度が検出限界値以下になっていました。表1.1サイクルの工程
工程
通液速度
備 考
準備
樹脂量:10ml
カラム:6㎜φ
ロータリーポンプを用い下向流通液
①
吸着
SV=5
過塩素酸イオン濃度:180mg/L カラム入口と出口の濃度が同じになるまで通液する。
②
脱離(再生)
SV=2
鉱酸を用い再生する。
③
水洗
SV=10
10BV イオン交換水を通水する。
図1.繰返し吸着による吸着量の低下曲線
- 2015年04月15日
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【技術資料】カラースローについて
今回は、軟水化設備でイオン交換樹脂を最初に使用する時や装置の再稼働時に
処理水が着色する現象についてご説明いたします。