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眼に影響の強い青色光をカットする樹脂用染料

眼に影響の強い青色光をカットする樹脂用染料

最近、バックライトにLED光が使われたスマホやパソコンなどを長時間見続ける生活スタイルが習慣化したことから、画面から出るブルーライトの人体への影響に関心が高まっております。

今般、弊社では問題となる400〜460nmのブルーライトをカットしても長波長領域の吸収は抑えられ、明るさの減少が最小限となるような樹脂用染料の開発を行いました。

なお、ブルーライトの危険性に関する報告は新聞、NHKなどから”青色光の危険性”として情報サイトなどで紹介されております。

LED光に過剰に含まれる440〜460NMの波長域のブルーライトを選択的にカットするための樹脂溶解タイプの染料を紹介させていただいておりますが、今般、当初紹介させていただいたSumiplast Olive MR の色調改良タイプ(黄ばみを押さえて穏やかなグリーン味を増加)を開発しました。また、同時に弊社の兄弟会社である住化カラー(株)において、フィルム加工用のPET樹脂のマスターバッチを準備いたしました。

色調見本と透過率スペクトル曲線を掲載いたします。

各種ブルーライトカットMBの全光線透過率測定結果

色相見本

LED照明に吐出して多く含まれるブルーライト光(440〜470NM )を吸収して目に対する影響を低減するため、弊社が開発中の樹脂用染料に関して、前回までに紹介させていただいた製品は極力 黄ばみを抑えてはおりましたが、それでも僅かに黄ばみが感じられました。

スマートホンなどのプロテクトフィルムに添加した場合、現行市販されている商品に比べては機能的に優れ、黄ばみもかなり少なくなっているとの評価はいただきましたが、末端のユーザーの広い層に受け入れられるためには、さらなる改良が必要とのことでありました。

そこで、さらに検討を行った結果、より一層黄ばみが少ない染料が紹介できるようになり、現在詳細な試験を行うため、サンプル試作を行っております。

白色LED光のブルーライト成分を吸収して、目に対する刺激を穏やかにする染料開発を行ってきましたが、今までの開発検討品について、白色光(色温度5000k)の分光分布を計算上で重ねたデータを掲載します。

Olive MR 白色LEDのブルーライト吐出部分を完全に吸収し、それ以外の波長光をできるだけ減少させないように設計した染料ですが、黄ばみは目立ちます。
(ブルーライトカット率 32%)
Olive MR-A MRの黄ばみを軽減したものですが、ブルーライト光の吸収量がやや少なく、それ以外の波長光の吸収が増加しています。緑味がやや目立ちます。
(ブルーライトカット率 28%)
Olive MR-M MRの着色感をさらに減らし、色目を無彩色に近づけたものですが、ブルーライト光の吸収量はさらに少なくなっています。
(ブルーライトカット率 24%)

比較のため、それぞれ同濃度(0.001%)、同一樹脂(PS樹脂3mm厚)を着色し、測定しております。

色イメージ

色イメージ

白色LED光の分光分布と開発品の透過スペクトルを重ねたグラフ

白色LED光の分光分布と開発品の透過スペクトルを重ねたグラフ

開発品の透過スペクトルと白色LED光の分光分布から、白色LED光を透過した場合の計算上透過スペクトル

開発品の透過スペクトルと白色LED光の分光分布から、白色LED光を透過した場合の計算上透過スペクトル

本件に関して詳細なお問い合わせがございましたら、下記URLの問い合わせフォームまでご連絡下さい。
住化ケムテックス株式会社 染料化成品事業部 化成品グループ
https://iqform.try.iqnet.co.jp/form0286/pc/enquete/seihin-kaseihin-contact/(暫定URL)