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染料・化成品事業部 染料グループ

シリーズ Sumifix HF染料の全て

<第1回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回より住友化学が製造・販売している反応染料Sumifix HF染料に関し、12回にわたる連載を予定しており、先ず、Sumifix HF染料の特長(開発コンセプト)と品目構成についてご紹介いたします。

Sumifix HF染料の特長と品目構成

Sumifix HF(Hight Fixation type)染料は、高吸尽・高固着タイプの反応染料であり、

  • 固着率が非常に高く、廃水中の着色負荷が少ない環境にやさしい染料です。
  • 従来の反応染料に比べ少ない無機塩量で染色が可能な経済性に優れた染料です。
  • 優れた染色再現性及び堅牢度を有しています。
  • 優れた洗浄性を有しており、染色工程の短縮が可能です。

以上の特長を有しています。

HF染料の用途と染料の最適組み合せは下表の通りです。

用途/Sumifix HF gran. 汎用
三原色
鮮明色 高耐光
高汗日光
連続染色
適性
混用品の同色染色・推奨染色法
綿/レーヨン レーヨン/麻 綿/防縮羊毛 綿/絹
オールイン昇温
オールイン恒温
オールイン昇温 恒温
(防染剤併用)
一浴二段
Yellow 3R
Scarlet 2G    
Red 3G  
G          
2B            
4B    
Blue 2R    
BG    
Navy 2G              
Navy RB              

<第2回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

Sumifix HF染料の標準的な最適吸尽染色プログラムを以下に示します。

最適吸尽染色プログラム

プログラムの特長

  • 最も高いカラーイールドが得られ、短時間での染色加工が可能です。
  • 液流染色機やチーズ染色機のように、比較的染液の攪拌効率が高い吸尽染色に適しています。
  • 染料添加から無水芒硝添加までの間隔及び助剤分割の間隔(t分)は、染色機の攪拌効率によって異なり、液流染色機のような被染物が動くタイプでは被染物が2回転、チーズ染色機のような液循環式では染液が2回入れ替わる時間を目安に設定します。
  • 染着速度が速いため、レーヨンやシルケット加工綿のような染料の親和性が高くなる繊維を染色する場合には、無水芒硝及びアルカリ剤の添加を3分割にしたり、自動添加装置を使用するなどの工夫が必要です。

また、より均染性を追求した「マイグレーション染色法」もございますので、詳しくは弊社までお問合せください。

<第3回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回はSumifix HF染料の特長の一つである低塩適性につき紹介いたします。

Sumifix HF染料は、染色時の繊維に対する親和性を高め、且つ高反応性の反応基を染料分子の最適位置に配し反応性を高めることにより、高い固着率を実現した染料シリーズです。
高い親和性を有しているため、染色時に添加する無機塩量を、従来の反応染料に比べて大幅に削減することが可能となりました。

配合Brown(Yellow-Red-Blue)色での染料使用量比較

<第4回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回はSumifix HF染料の特長の一つである染色時間短縮について紹介いたします。

Sumifix HF染料は、染色時の繊維に対する親和性を高め、且つ高反応性の反応基を染料分子の最適位置に配し反応性を高めた染料シリーズであり、染色時間短縮が可能です。
また、加水分解した染料の繊維に対する親和性が、染着時に比べて低下するように分子設計しているため、優れた洗浄性と湿潤堅牢度を有し、洗浄工程合理化ができ時間短縮を図ることが可能です。

表1 染色時間依存性
染料シリーズ 相対カラーイールド(%)
アルカリ添加後の染色時間(分)→ 40分 50分 60分 70分 80分 90分
Brown色 Sumifix HF三原色 97 100 101      
他社ホットタイプA三原色       97 100 102
他社ホットタイプB三原色     96 100 101  

注)濃色(Sumifix HF三原色total 3%o.w.f.相当)で比較

表2 洗浄性(Brown色)
洗浄工程 所要時間 染料シリーズ 洗濯堅牢度
綿汚染
(JIS A-4)
冷水洗(30℃×10分)→湯洗(70℃×10分)→ソーピング(95℃×10分)→湯洗(70℃×10分)→冷水洗(30℃×10分) 2時間 Sumifix HF 三原色 4-5
他社ホットタイプA三原色 3
冷水洗(30℃×10分)→湯洗(70℃×10分)→ソーピング(95℃×10分)→湯洗(70℃×10分)→洗(70℃×10分)→湯洗(70℃×10分)→冷水洗(30℃×10分) 3時間 Sumifix HF 三原色 4-5
他社ホットタイプA三原色 4-5

注) 濃色(Sumifix HF三原色total 3%o.w.f.相当)で比較

<第5回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回はSumifix HF染料の特長の一つである良好な染色再現性について紹介いたします。

反応染料は、繊維及び水との競争反応が避けられないため、一般的に固着率が他種属の染料と比べて低くなり、その結果良好な染色再現性を得難い染料と言えます。
下図は三原色配合染色時の各種条件変化による色相変動の状態を示していますが、他社の反応染料と比較してSumifix HF染料は変動が極めて小さく再現性に優れています。
先に御紹介した通り、Sumifix HF染料は高い固着率を実現した染料シリーズであり且つ染色の再現性も良好です。

Sumifix HFの染色再現性 他社比較

<第6回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回よりSumifix HF染料の特長の一つである混用品の染色適性につき紹介いたします。

従来の反応染料は、黄色、赤色および青色の各種繊維に対する親和性が異なるため、異種の素材を同浴で染色した場合に、これらの繊維間で濃度・色相が異なる結果となります。一方、Sumifix HF染料は、各種繊維に対する各色の親和性が揃っているため、異種の繊維を同浴で染色した場合、これらの異種の繊維素材を近似の色相に染色出来ます。
また、従来の反応染料と比べて、Sumifix HF染料は浴比依存性が小さいため、染色法を工夫することで素材間の濃度差を解消することが出来、結果として同浴で異種の素材を染色することが可能となります。

次回より混用品の具体的な染色法につき紹介いたします。

Sumifix HFの混用品染色適正 他社比較

<第7回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回は、ポリエステル/セルロース混用品の一浴二段染色法を紹介いたします。

Sumifix HF染料は、既存の反応染料と比較し、以下の特性があります。

1)浴比依存性が小さいので、浴比が大きい綿混用品の染色に適する。
2)無機塩使用量が少ないことから、分散染料の分散性劣化の影響が小さい。

このことから、分散染料との併用によるポリエステル/セルロース混用品の一浴二段染色において、良好な染色再現性が得られます。

具体的な染色条件及び推奨染料を以下に記載します。

Sumifix HFの染色条件及び推奨染料

<推奨染料>

  • 分散染料
    Sumikaron RPDシリーズ
  • 反応染料
    Sumifix HFシリーズ

<第8回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回は、綿/レーヨン(テンセル)混用品の一浴二段染色法を紹介いたします。

通常、未シルケット綿とレーヨン(テンセル)を、反応染料を使用して同浴で染色すると、染料との親和性が高いレーヨン(テンセル)側の濃度が高くなります。
また、吸尽バランスが異なる三原色を使用すると、異色染めの原因となります。

Sumifix HF染料は、三原色の吸尽バランスが近似であるため、両素材を近似の色相に染色出来ます。また、染色条件をコントロールすることにより、素材間の濃度・色相を更に近づけることが可能です。

具体的な染色条件および染色例を以下に記載します。
なお、レーヨンやテンセルは、メーカーや品番によって性質が大きく異なるため、本染色法使用に当って十分な予備テストが必要です。

<推奨染色法>

Sumifix HFの推奨染色法

<染色例>

Sumifix HFの染色例

<第9回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回は、防縮ウール/綿混用品の一浴染色法を紹介いたします。

Sumifix HF染料は、既存の反応染料に比べセルロース繊維への親和性が高く、且つ、三原色の染色挙動が近似であるため、ウール防染剤の併用で防縮ウール/綿混用品の一浴同色染色が可能です。

具体的な染色方法および染色例を以下に記載します。
なお、ウールや綿は天然素材であり、防縮ウールは前処理法や素材によって性質がかなり異なるため、本染色法使用に当っては十分な予備テストが必要です。

<図1>染色方法

Sumifix HFの染色方法

<図2>染色見本

Sumifix HFの染色見本

<第10回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回は、レギュラーウール/綿混用品の一浴染色法を紹介いたします。

Sumifix HF染料は、レギュラーウール染色時の三原色の挙動が綿染色時と近似であるため、レギュラーウール/綿混用品の一浴同色染色が可能であり、更に染色条件を工夫することにより、レギュラーウール・綿間の濃度差をコントロールできます。

レギュラーウール/綿混用品の具体的な染色方法を以下に記載します。

なお、ウールや綿は天然素材であり、産地や前処理方法の違いによって染料分配率が異なることがあるため、本染色法使用に当っては十分な予備テストが必要です。

Sumifix HFのレギュラーウール/綿混用品の染色方法

Sumifix HF 染料推奨三原色:

  • Sumifix HF Yellow 3R gran.
  • Sumifix HF Scarlet 2G gran.
  • Sumifix HF Blue BG gran.

<第11回> シリーズ Sumifix HF染料の全て

今回は、ナイロン/綿混用品の染色法(ナイロン側白残し)を紹介いたします。

Sumifix HF染料はセルロース繊維への親和性が高いため、ナイロン防染剤を併用することでナイロン汚染を極力抑えた綿/ナイロン混の染色が可能です。ナイロン側の白残し・二浴法(綿側:反応染料→ナイロン側:酸性染料)での色合わせが容易となります。

推奨染色法、推奨染料および染色例を以下に示します。

Sumifix HFのナイロン/綿混用品の推奨染色法および染色例

  • Sumifix HF Yellow 3R gran.
  • Sumifix HF Red 2B gran.
  • Sumifix HF Blue 2R gran.
  • Sumifix HF Blue BG gran.
  • Sumifix HF Navy 2G gran.

<第12回> シリーズ Sumifix HF染料の全て(終)

11回にわたり、Sumifix HF染料の特長を紹介してまいりましたが、最後に本染料シリーズの用途別の染料組み合わせ一覧を以下に掲載いたします。
尚、ご使用条件等により結果が異なる可能性もありますので、事前事後にかかわらず遠慮なくご相談ください。

用途/Sumifix HF 汎用
三原色
鮮明色 高耐光
高汗日光
連続染色
適性
混用品の同色染色・推奨染色法
綿/レーヨン レーヨン/麻 綿/防縮羊毛 綿/絹
オールイン昇温
オールイン恒温
オールイン昇温 恒温
(防染剤併用)
一浴二段
Yellow 3R
Scarlet 2G    
Red 3G  
G          
2B            
4B    
Blue 2R    
BG    
Navy 2G              
Navy RB